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箏の調絃の種類について

こんにちは、箏曲演奏家の福田恭子です。

柱

箏は「柱」を立てる位置によって音の高さが変わり、右に移動すると音は高く、左に移動すると音は低くなります。

ピアノのように音の並び方が固定されているのではなく、曲に合わせて柱の位置を動かし、音を変えていきます。

たとえば『六段の調』(八橋検校作曲)であれば「平調子」という決まった調子(音の並び)を使用します。

このように、「曲に合わせて音の並びを変える」ことを「調絃」といい、様々な調絃のパターンがあります。

今回は、主に古典曲で使用する、代表的な調絃を紹介します。

※五線譜に表記されている、一の音は、1オクターブ下の音を使用する場合もあります。
※基本の音が壱越(一=D)の場合

平調子

最も基本的な調絃で、八橋検校によって考案されたものと言われています。
平調子
平調子の調弦方法については以下の記事で詳しく解説しておりますのでご参照ください。

半雲井調子

平調子より八を半音下げ、九を1音上げた調子。
半雲井調子

雲井調子

平調子より三・八を半音下げ、四・九を1音上げた調子。
雲井調子

本雲井調子

雲井調子より巾を半音下げた調子。
本雲井調子

中空調子

平調子より六・斗を半音上げ、七・為を1音下げた調子。
中空調子

古今調子

平調子より四と九を1音上げ、二を七と同音にした調子。
古今調子

乃木調子

平調子より四・六・九・斗を半音上げた調子。
乃木調子

楽調子

平調子より四・九を1音上げ、六・斗を半音上げた調子。
楽調子

特に初心者の方は、調絃を取る際、チューナーを利用して音を取ることも可能です。
また、クリップ式のチューニングマイクも揃えておくと、周囲の雑音がある場所でも、より確実に調絃を取ることができます。

箏曲演奏家 福田恭子

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