泉(宮城道雄作曲)
第16回東京藝術大学岡山県出身者によるジョイントコンサートより
(箏:福田恭子/尺八:田辺道恵)
解説
お正月によく耳にする『春の海』の作曲者で有名な宮城道雄の作品です。
この曲は箏と尺八の二重奏で、昭和29年に、昭和30年の御題(天皇が出した詩文の題)の「泉」にちなんで作曲したものです。
静かに湧き出ずる泉に黎明の灯が輝いてくるというように前奏が始まり、泉の元で人々が幸福に充ち溢れ、水をくみかわす様子や、作曲者が子供の頃にきいたつるべの音、美しい花に囲まれた田舎の泉などを想像して作曲されたものです。
様々な水の流れを表現している旋律を感じていただき、泉のあるのどかな自然の風景を思い浮かべながら聴いていただきたいと思います。
箏曲演奏家 福田恭子